お辞儀

お辞儀、いわゆる礼は屈体によって相手に誠の心を伝えることと教えている。

お辞儀には「立礼」と「座礼」があり、礼三息で行うとゆったりとした礼になる。腰から屈体することが重要で、「襟の空かぬよう」「顎の浮かぬよう」「耳は肩に垂れるよう」という三つの原則がある。


立礼

「立礼」とは、立った姿勢での屈体のこと。
肘は常に体につけている気持ちで、肘から指先が常にまっすぐであるよう注意する。屈体が実体で手はその影であるため、影である手が実体である屈体より先に動いたり、後に遅れたりしてはならない。

1)深い礼
立礼のうちでもっとも丁寧な礼。
指先が膝頭に付くまで屈体する。

【立礼】深い礼1.jpg  【立礼】深い礼2.jpg

2)浅い礼
体を屈すると手が自然と前に出てくるが、指先が前に出たあたりで止める礼。

【立礼】浅い礼1.jpg  【立礼】浅い礼2.jpg

3)普通礼
深い礼と浅い礼の中間あたりまで指先が下った礼。

【立礼】普通の礼1.jpg  【立礼】普通の礼2.jpg

なお、礼は体型や腕の長さにより個人差があるため、角度では考えない。


座礼

「座礼」とは、正座跪座蹲踞姿勢での屈体のこと。
座した状態で上体を前屈していく際、手が膝の上にあると不自然で窮屈になる。そのため、手は自然と腿の脇に落ち、さらに前屈することにより、手は前に進んでいく。この時に腕は膝から離れず、腿に擦れながら沿って動く。
尻が踵から離れないように、肘を張らないように、肘を膝から離さないように注意する。

1) 指建礼(しけんれい)
上体を少し屈体し、両手を膝の両側に下ろし、肘を軽く伸ばし指先だけを畳につけた礼。
片手指建と両手指建がある。
「お先に」と挨拶する時などに使われる。

【座礼】指建礼.jpg

2) 折手礼(せっしゅれい)
指建からさらに体を屈し、掌が床についた礼。
男性は指先を前に向け、女性は指先を後ろに向ける。男性の場合、両膝と平行に両手の指先が置かれるが、肘が張りがちになるので、肘を締めることが肝要である。
正座して本などを拝見する際は、無意識にこの姿勢をとっていることが多く、カルタ取りの所作などもこの姿勢である。

【座礼】折手礼.jpg

3) 拓手礼(たくしゅれい)
折手礼からさらに屈体した時、手が膝の横前に出て、自然に手首から指先にかけて「ハの字」形になる礼。
同輩に対する礼で、茶道などで多く使われる。

【座礼】拓手礼.jpg

4) 双手礼(そうしゅれい)
拓手礼からさらに屈体し、両手の間隔が狭くなった礼。
同輩に対する深い礼であり、目上の人にも使う。

【座礼】双手礼.jpg

5) 合手礼(ごうしゅれい)
双手礼からさらに屈体した時に、両手の人差し指がつき、胸が膝についた礼。
肘から掌までが床につき、両手の人差し指と親指でできた三角形の真上に鼻がくる。

【座礼】合手礼.jpg

いずれの礼も首だけを下げたり、襟元が見えたりしないように、頭と銅が一直線になるように屈体する。

なお、一般には「三つ指ついて」が座礼の代名詞のようになっており女性らしい正しい礼であるように思われているが、三つ指ついてするお辞儀は頭が落ちてしまい、礼法としては正しいものではない。


Y.K
add M.A


  • 最終更新:2011-04-08 16:17:06

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード